Mrs. GREEN APPLE(ミセス)の楽曲を聴いて、「自分もあんな風にギターを弾いてみたい!」と心を揺さぶられた方は多いのではないでしょうか。彼らの生み出す色彩豊かなサウンドの核となるギターですが、いざ選ぶとなると種類が多くて何から調べれば良いか迷ってしまいますよね。
この記事では、まずミセスサウンドの要である大森元貴(Vo/Gt)の使用ギターモデルや若井滉斗(Gt)の使用ギターモデルを詳しくご紹介します。
彼らが愛用するギターを知ることで、テレキャスタータイプの特徴やジャズマスタータイプの特徴、そしてレスポールタイプの特徴といった、それぞれのギターが持つ個性やサウンドの秘密が見えてくるはずです。
さらに、これからギターを始める方や新しい一本を探している方に向けて、ミセスの楽曲演奏に最適なギターも提案します。
王道のストラトキャスタータイプをはじめ、カッティングが映えるテレキャスタータイプ、パワフルなサウンドのレスポールタイプ、そして幅広い音作りができるセミアコタイプまで、様々な選択肢の中からあなたに合った一本を見つけるお手伝いをします。
もちろん、純粋に憧れのメンバーと同じモデルから選ぶのも、モチベーションを高める素晴らしい方法です。
さあ、この記事のまとめ:ミセスを参考にギターの種類を選んでみようという結論にたどり着くまで、一緒にあなただけの最高のパートナーとなるギターを探す旅に出かけましょう。
- ミセスのメンバーが愛用するギターの具体的なモデル名がわかる
- 楽曲ごとのギターサウンドの違いとその理由が理解できる
- テレキャスターやレスポールなど各ギターの特徴を完全網羅
- 憧れのサウンドに近づくためのギター選びの知識が手に入る
Mrs. GREEN APPLEが愛用するギターの種類を徹底解説
- 大森元貴(Vo/Gt)の使用ギターモデル
- 若井滉斗(Gt)の使用ギターモデル
- テレキャスタータイプの特徴
- ジャズマスタータイプの特徴
- レスポールタイプの特徴
大森元貴(Vo/Gt)の使用ギターモデル
Mrs. GREEN APPLEの音楽的中心人物である大森元貴さん。彼の生み出す多彩な楽曲の世界観は、その歌声だけでなく、使用するギターによっても大きく彩られています。彼のギター選びには、楽曲に込めたメッセージやサウンドへの深いこだわりが表れていると言えるでしょう。
ここでは、大森元貴さんがこれまで愛用してきた代表的なギターモデルを、それぞれの特徴や使用された楽曲とともに詳しく解説していきます。彼の音楽を支える相棒たちを知ることで、Mrs. GREEN APPLEの楽曲をより一層深く楽しめるようになるかもしれません。

大森さんのギターって、見た目も音もカッコいいものばかりですよね!どんなモデルを使っているのか、一緒に見ていきましょう!
メインギター①:Fender 70s Telecaster Deluxe “Witch Hazel”
大森元貴さんを象徴するギターとして、まず挙げられるのがFender(フェンダー)のTelecaster Deluxe(テレキャスターデラックス)です。特に、彼が「Witch Hazel(ウィッチヘーゼル)」という愛称で呼ぶモカブラウンカラーの個体は、ファンの間でも非常に有名でしょう。
このギターは、活動初期から現在に至るまで、数多くのライブやミュージックビデオでメイン機として使用されてきました。なぜなら、テレキャスターデラックスが持つ独特のサウンドと仕様が、彼の求める音楽表現に完璧に合致しているからです。
例えば、このモデルの最大の特徴は、通常のテレキャスターがシングルコイルピックアップを2基搭載しているのに対し、ハムバッカーピックアップを2基搭載している点にあります。
これにより、シングルコイル特有の繊細で煌びやかな音色とは一味違う、太くパワフルで、それでいて歪ませても音の芯が失われないサウンドを生み出します。ロックチューンである「インフェルノ」や疾走感あふれる「青と夏」などで聴けるエッジの効いたギターサウンドは、まさにこのギターの特性が生かされています。
豆知識:テレキャスターデラックスとは?
1970年代にフェンダー社から発売されたモデルで、当時人気を博していたギブソン社のレスポールなどに対抗するために開発されました。大きなヘッドストック(ラージヘッド)や、体にフィットするように施されたボディのコンター加工なども特徴で、伝統的なテレキャスターとは一線を画す仕様となっています。
メインギター②:Gibson ES-335
テレキャスターデラックスと並んで、大森さんが頻繁に使用するのがGibson(ギブソン)のES-335です。こちらは、ボディ内部が空洞になっているセミアコースティックギター(セミアコ)という種類で、彼の音楽性の幅広さを示す一本と言えるでしょう。
ES-335を選ぶ理由は、その甘く、温かみのある豊かな響きにあります。ボディ内部の空洞が弦の振動を増幅させることで、ソリッドギター(ボディが木材だけで空洞がないギター)では得られない、独特の空気感(エア感)と伸びやかなサステイン(音の伸び)が生まれるのです。
この特性は、壮大なバラード「僕のこと」や、優しくも力強いメッセージが込められた「ロマンチシズム」といった楽曲で特に効果を発揮します。クリーントーンで弾けば優しく包み込むような音色になり、少し歪ませればブルージーで色気のあるサウンドへと変化します。
このように、楽曲の感情表現に合わせて多彩な表情を見せられる点が、大森さんがこのギターを愛用する大きな理由の一つだと考えられます。
セミアコの注意点:ハウリング
ES-335のようなセミアコースティックギターは、ボディが空洞であるため、ライブなどで音量を大きくしたり、強く歪ませたりすると「ハウリング(特定の周波数の音が共鳴して「キーン」というノイズが発生する現象)」が起きやすいという側面もあります。しかし、プロの現場では音響設定や演奏技術でこれを巧みにコントロールしています。
アコースティックギターの代表格:Gibson J-45
大森さんの弾き語りや、楽曲のアコースティックバージョンで欠かせないのが、アコースティックギターの名器として名高いGibson(ギブソン)のJ-45です。
このギターは、”The Workhorse”(頼りになる馬)という愛称で古くから多くのミュージシャンに愛されてきました。その理由は、パワフルで歯切れの良いストロークサウンドから、繊細で温かみのあるフィンガーピッキングまで、あらゆる演奏スタイルに対応できる懐の深さにあります。
具体的には、J-45が持つ独特の「ジャキッ」としたアタック感と、豊かに響く中低音域が、大森さんの力強くも繊細な歌声と見事に調和します。彼がアコースティックギター一本でパフォーマンスを行う際、このギターが持つ表現力の高さが、楽曲の持つ世界観をより一層引き立てているのです。
ライブでの弾き語りコーナーや、アコースティックアレンジの音源を聴く際には、ぜひこのJ-45のサウンドにも耳を傾けてみてください。
その他の使用モデルとギター選びの傾向
これまで紹介した3本以外にも、大森さんは楽曲や時期に応じて様々なギターを使い分けています。例えば、フェンダーのジャズマスターやジャガー、ギブソンのレスポールといったモデルも、過去のライブやレコーディングで使用された記録があります。
これらの使用遍歴から、彼のギター選びにはいくつかの傾向が見えてきます。まず、フェンダーやギブソンといった、歴史と伝統のある王道ブランドを好んで使用している点です。
そして、ピックアップの種類に注目すると、テレキャスターデラックスやES-335、レスポールなど、ハムバッカーピックアップを搭載したモデルを多用する傾向があるようです。これは、彼の作る楽曲が、パワフルで厚みのあるギターサウンドを必要とすることが多いからかもしれません。
大森元貴さんのギター選びのポイント
- 伝統的な王道ブランド(Fender, Gibson)を好む。
- ハムバッカー搭載モデルを多用し、太くパワフルなサウンドを志向。
- 楽曲の世界観や表現したい感情に合わせて、ソリッド、セミアコ、アコギを巧みに使い分ける。
このように、彼のギター選びは、単なる好みだけでなく、Mrs. GREEN APPLEの音楽を構築するための緻密な計算に基づいていると言えるでしょう。ここで、代表的な使用ギターと関連楽曲を一覧表にまとめてみました。
ギターモデル | 主な特徴 | 代表的な使用楽曲 |
---|---|---|
Fender Telecaster Deluxe | ハムバッカーによる太くパワフルなサウンド | 「インフェルノ」「青と夏」「Soranji」 |
Gibson ES-335 | セミアコ構造による甘く豊かな響き | 「僕のこと」「ロマンチシズム」「点描の唄」 |
Gibson J-45 | パワフルかつ温かみのあるアコースティックサウンド | 弾き語り全般、アコースティックアレンジ曲 |

こうして見ると、本当に色々なギターを使い分けているんですね!次にライブ映像を見るときは、ぜひ大森さんの手元にあるギターにも注目してみてください。新しい発見があるかもしれませんよ!
若井滉斗(Gt)の使用ギターモデル
Mrs. GREEN APPLEのギタリスト、若井滉斗さん。彼のギターサウンドは、バンドの楽曲に彩りと深みを与える重要な要素です。彼のプレイを支えているのが、実に多彩なギターの数々。楽曲の世界観や表現したい音色に合わせて、様々なモデルを巧みに使い分けています。
ここでは、若井さんが愛用する代表的なギターモデルに焦点を当て、それぞれの特徴や魅力について詳しく見ていきましょう。彼のサウンドの秘密に迫ることで、ミセスの音楽をより深く楽しめるようになるかもしれません。

「ひろぱ」の愛称で親しまれている若井さん!彼のギタープレイは本当にかっこいいですよね。どんなギターを使っているのか、とっても気になります!
王道のロックサウンドを象徴する「Gibson Les Paul Custom」
若井さんの代名詞とも言えるギターが、Gibsonのレスポールカスタムです。特に、黒いボディにゴールドパーツが映える、通称「ブラックビューティー」は彼のトレードマークの一つになっています。このギターは、太く、甘く、そしてパワフルなサウンドが特徴で、ロックサウンドの核を担います。
例えば、「インフェルノ」の重厚なリフや、「僕のこと」でのエモーショナルなギターソロなど、バンドの代表曲の多くでこのギターの存在感を感じることができるでしょう。
レスポール特有の豊かなサステイン(音の伸び)は、聴く人の心に深く響く音色を生み出します。このように、彼は楽曲に力強さや説得力を持たせたい場面で、このギターをセレクトしているようです。
ギブソン社が製造するエレキギターの代表的モデル「レスポール」の上位機種です。通常のレスポール・スタンダードに比べて、高級感のある装飾や厳選された木材が使用されることが多く、重厚でリッチなサウンドが魅力とされています。
切れ味鋭いサウンドを奏でる「Fender Telecaster」
一方で、レスポールとは全く異なるキャラクターを持つギターも使用しています。それがFenderのテレキャスターです。このギターは、シャープで歯切れの良い、いわゆる「チャキチャキ」としたサウンドが得意なモデルになります。
「青と夏」のような爽快感あふれる楽曲での軽快なカッティングプレイは、まさにテレキャスターの真骨頂と言えるでしょう。レスポールが生み出す分厚いサウンドとは対照的に、テレキャスターはバンドアンサンブルの中で埋もれることなく、サウンドに輪郭と明るさを加えてくれます。
若井さんは、楽曲に疾走感や軽やかさを加えたいときに、このギターを選んでいると考えられます。
暖かく深みのある音色「Gibson ES-335」
彼の使用ギターの中でも、特に表現の幅広さを感じさせるのがGibson ES-335です。これはセミアコースティックギター(セミアコ)と呼ばれるタイプで、ボディの内部が一部空洞になっています。そのため、アコースティックギターのような豊かな響きと、エレキギターの力強さを両立させているのが特徴です。
このギターが奏でる暖かく深みのある音色は、「点描の唄 (feat. 井上苑子)」のようなバラードや、少しジャジーな雰囲気を持つ楽曲で特にその魅力を発揮します。ただ単に歪ませて音圧を稼ぐのではなく、音の響きや空気感を大切にする若井さんのプレイにおいて、ES-335は欠かせない一本と言えるかもしれません。
モダンで多彩な表現を可能にする「PRS (Paul Reed Smith)」
近年、ライブなどで使用する姿がよく見られるようになったのが、PRS(ポール・リード・スミス)のギターです。PRSは、伝統的なギブソンやフェンダーとは異なり、モダンな設計思想に基づいて作られています。美しい木目が特徴的なルックスに加えて、非常に高い演奏性と、幅広いサウンドメイクが可能な点が魅力です。
若井さんが使用しているのは「Custom 24」などのモデルで、激しいロックナンバーからテクニカルなフレーズまで、あらゆる要求に応えてくれます。一つのギターで多彩な音色を操ることができるため、ライブでのメインギターとして活躍する場面も多いようです。
彼の探求心や、常に新しいサウンドを求める姿勢が、このギターの選択に繋がっているのではないでしょうか。
- 楽曲の世界観を最優先: パワフルな曲にはレスポール、爽やかな曲にはテレキャスターなど、楽曲のイメージに最適なギターを選択。
- 伝統と革新の融合: ギブソンやフェンダーといった王道モデルと、PRSのようなモダンなギターを柔軟に使い分ける。
- サウンドとルックスの両立: どのギターもサウンドはもちろん、ステージ映えする美しいモデルを選んでいる。

これだけたくさんのギターを使いこなすなんて、本当にすごいですよね!曲ごとにギターの音色を聴き比べてみるのも、ミセスの新しい楽しみ方かもしれませんね!
ここで、若井さんが主に使用するギターモデルの特徴を分かりやすく表にまとめてみました。
ギターモデル | 主なサウンド特徴 | 得意なプレイスタイル |
---|---|---|
Gibson Les Paul Custom | 太く、甘く、パワフル | 重厚なリフ、伸びやかなギターソロ |
Fender Telecaster | シャープで歯切れが良い | 軽快なカッティング、リズミカルなフレーズ |
Gibson ES-335 | 暖かく、豊かな響き | アルペジオ、メロウなリードプレイ |
PRS Custom 24 | 万能で多彩なサウンド | テクニカルな速弾き、幅広いジャンルに対応 |
このように、若井滉斗さんは一つのイメージに縛られることなく、楽曲の魅力を最大限に引き出すために様々なギターを使い分けています。彼のギター選びは、Mrs. GREEN APPLEの音楽がいかに多彩で、緻密に作られているかを物語っていると言えるでしょう。
テレキャスタータイプの特徴
Mrs. GREEN APPLEのギタリスト、若井滉斗さんがステージで構える姿を見て、「あのギターは何だろう?」と気になった方もいるかもしれません。彼が愛用するギターの一つに、テレキャスタータイプがあります。ここでは、多くのギタリストを魅了し続けるテレキャスタータイプが持つ、独特の特徴について詳しく解説していきます。
結論から言うと、テレキャスタータイプは非常にシンプルながらも、鋭く歯切れの良いサウンドが特徴のギターです。この個性的な音色が、バンドサウンドの中で確かな存在感を放ちます。
サウンドの核心は「シングルコイルピックアップ」
テレキャスターのあの「ジャキッ」としたサウンドは、なぜ生まれるのでしょうか。その理由は、搭載されているシングルコイルピックアップというパーツにあります。これは弦の振動を電気信号に変えるマイクのようなもので、高音域がクリアに出力される特性を持っています。
特に、ブリッジ(ボディ下部の弦を固定するパーツ)側に搭載されたピックアップは、金属製のプレートと一体になっていることが多く、これがさらに硬質でアタック感の強いトーンを生み出す要因となっています。
そのため、リズミカルなカッティング奏法(弦をミュートしながら刻むように弾く奏法)との相性は抜群で、ファンキーな曲から軽快なロックまで幅広く対応できるのです。

ミセスの楽曲で聴こえる、あの心地よいギターリフも、テレキャスターのキャラクターが活かされているのかもしれませんね!
シンプルだからこそのメリットと奥深さ
テレキャスターは、その構造が非常にシンプルであることも大きな特徴です。これが、多くのメリットにつながっています。
テレキャスタータイプの主なメリット
- 音が埋もれにくい: 高音域がはっきりしているため、ボーカルや他の楽器に埋もれず、バンドの中でも音が前に出てきます。
- 扱いやすい操作性: コントロールは基本的に1つの音量ノブ、1つの音質調整ノブ、そしてピックアップを切り替えるスイッチだけ。直感的に操作できるため、初心者でも迷うことが少ないでしょう。
- カスタマイズ性の高さ: 構造が単純なため、パーツの交換や改造が比較的容易です。自分だけの一本に育てていく楽しみもあります。
このように、扱いやすさが魅力の一方で、テレキャスターは「ごまかしが効かないギター」とも言われます。なぜなら、ピッキングの強弱やタッチといったプレイヤーのニュアンスを非常に素直に出力するからです。だからこそ、弾き手の個性が色濃く反映され、上達すればするほど奥深い表現が可能になる、育てがいのあるギターなのです。
知っておきたいデメリットと注意点
もちろん、テレキャスタータイプにもいくつかの注意点が存在します。メリットだけでなく、デメリットも理解した上で選ぶことが大切です。
テレキャスタータイプの注意点
最も知られているのは、シングルコイルピックアップ特有のノイズです。特に、照明が多いライブハウスや、歪みの強い音色を作るエフェクターを使った際に「ジー」というノイズが発生しやすくなります。もっとも、これはノイズ対策が施されたモデルを選ぶことである程度解消できます。
また、ボディの形状によっては、ハイポジション(ネックのボディに近い部分)が弾きにくいと感じる人もいるかもしれません。こればかりは個人の手の大きさやプレイスタイルによるため、実際に楽器店で試奏してみることをお勧めします。
以下の表に、テレキャスタータイプの特徴を簡単にまとめてみました。
項目 | メリット | デメリット・注意点 |
---|---|---|
サウンド | 歯切れが良く、バンドで音が埋もれにくい | 繊細な表現が求められ、ごまかしが効きにくい |
構造・操作性 | シンプルで直感的に扱える、カスタマイズ性が高い | シングルコイル特有のノイズが出やすい |
演奏性 | カッティングなどリズミカルな演奏に向いている | モデルによってはハイポジションが弾きにくい場合がある |
豆知識:世界初の量産型エレキギター
ちなみに、テレキャスターは1950年代初頭にフェンダー社から発売された、世界で初めて商業的に成功した量産型ソリッドボディ・エレキギターです。つまり、現代のエレキギターの「元祖」とも言える存在。その完成されたシンプルなデザインは、70年以上経った今でもほとんど変わることなく、多くのミュージシャンに愛され続けています。
このように考えると、テレキャスタータイプは、キレのあるサウンドでバンドの要になりたい人や、自分のプレイを磨きながら長く付き合える一本を探している人に最適なギターと言えるでしょう。若井さんのようなプレイに憧れてギターを始めるなら、間違いなく有力な選択肢の一つになります。
ジャズマスタータイプの特徴
Mrs. GREEN APPLEのフロントマン、大森元貴さんがステージで奏でるサウンドに欠かせないギターの一つが、ジャズマスタータイプです。結論から言うと、このジャズマスターは、唯一無二のサウンドと個性的なルックスを両立させた、非常に魅力的なギターと言えるでしょう。他の定番ギターとは一線を画す特徴が多く、一度ハマると手放せなくなるギタリストも少なくありません。
なぜなら、ジャズマスターはもともとジャズギタリスト向けに開発された背景を持ち、その設計思想が随所に反映されているからです。例えば、専用に設計されたピックアップや独特のコントロール系統、そして体にフィットするよう考えられたボディ形状など、すべてが独特の演奏体験を生み出します。
これが、結果的にサーフロックやオルタナティブロックなど、幅広いジャンルのミュージシャンに愛される理由となりました。

ミセスの大森さんが弾いている姿を見て、憧れて手に取る人も多いみたい!見た目も音も本当に個性的だよね。
サウンドの特徴:甘さと鋭さを両立した唯一無二のトーン
ジャズマスターのサウンドを語る上で最も重要なのが、専用に設計された幅広でフラットな形状のシングルコイルピックアップです。これは、一般的なストラトキャスターやテレキャスターに搭載されているピックアップとは構造が異なり、太く甘い、メロウなサウンドを生み出す要因となっています。
しかし、ただ甘いだけではありません。ジャズマスターはピッキングのアタックに対して非常に敏感に反応し、「ジャキッ」とした鋭い高音域も得意とします。
クリーントーンでは鈴鳴りのような美しい響きを奏で、アンプを歪ませれば暴れるようなファットなロックサウンドも出力可能です。このように、甘さと鋭さ、クリーンと歪みの両極端を高いレベルで表現できる懐の深さが、多くのアーティストを惹きつけているのです。
ルックスと演奏性:目を引くデザインと独特の操作感
ジャズマスターを象徴するのが、「オフセットウェストボディ」と呼ばれる左右非対称のボディ形状です。これは立って演奏する時も、座って演奏する時も、プレイヤーの体に自然にフィットするように計算されたデザインになります。大きなピックガードと相まって、ステージ上でも一際目を引く存在感を放ちます。
演奏面での大きな特徴は2つあります。一つは「フローティング・トレモロ」というアームユニットです。滑らかな音程変化が可能で、独特の浮遊感があるビブラートをかけることができます。
そしてもう一つが、プリセット・コントロール(通称:リズム/リードサーキット)の存在です。これはボディ上部にあるスイッチを切り替えることで、あらかじめ設定しておいたフロントピックアップの甘いサウンド(リズムサーキット)と、通常のピックアップセレクターで選んだサウンド(リードサーキット)を瞬時に行き来できる機能です。
これによって、演奏中に多彩な音色を使い分けることが可能になります。
プリセット・コントロールって?
初心者の方には少し複雑に聞こえるかもしれませんが、「音色のショートカットキー」のようなものだと考えると分かりやすいです。例えば、バッキング(伴奏)では甘いリズムサーキットの音を使い、ギターソロになったらスイッチ一つでリードサーキットの鋭い音に切り替える、といった使い方ができます。
知っておきたいデメリットと注意点
個性的な魅力にあふれるジャズマスターですが、その独特な構造ゆえに、知っておくべき注意点もいくつか存在します。
まず挙げられるのが、ブリッジ(弦を支えるパーツ)の構造に起因する「弦落ち」という現象です。これは、強くピッキングした際に弦がブリッジの溝から外れてしまうトラブルを指します。また、フローティング・トレモロは構造が複雑なため、他のギターに比べてチューニングが不安定になりやすい側面も持ち合わせています。
他にも、前述のプリセット・コントロールをはじめとする操作系統が複雑で、初心者が使いこなすには少し慣れが必要かもしれません。
ジャズマスターと上手に付き合うために
これらのデメリットは、決して致命的な欠点というわけではありません。弦落ちやチューニングの不安定さは、ブリッジを別のパーツに交換したり、「バズストップバー」という補助パーツを取り付けたりすることで改善が見込めます。
言ってしまえば、少し手のかかる部分も含めてジャズマスターの個性であり、自分好みにカスタマイズしていく楽しみがあるギターとも言えるのです。
ジャズマスタータイプの特徴まとめ
項目 | 特徴 | メリット / デメリット |
---|---|---|
サウンド | 専用ピックアップによる太く甘いトーンと、鋭い高音域を両立。 | メリット: 表現の幅が広く、唯一無二のサウンドが出せる。 デメリット: 独特なサウンドのため、好みが分かれる場合がある。 |
ルックス | 左右非対称のオフセットウェストボディ。 | メリット: 見た目が個性的で、体にフィットしやすい。 デメリット: 特になし。デザインの好みの問題。 |
演奏性 | フローティング・トレモロ、プリセット・コントロールを搭載。 | メリット: 多彩な音作りやアーミングが可能。 デメリット: 弦落ちやチューニングの狂いが起きやすい。操作が複雑。 |
このように考えると、ジャズマスターは単に音を出すための道具ではなく、ギタリストの創造性を刺激し、表現の可能性を広げてくれる個性的なパートナーです。最初は少し戸惑う部分もあるかもしれませんが、その特性を理解し、弾きこなせるようになった時、きっとあなただけの特別なサウンドを見つけることができるでしょう。
レスポールタイプの特徴
Mrs. GREEN APPLEのサウンドを支える重要な要素の一つが、ボーカル&ギターの大森元貴さんが奏でるギターサウンドです。彼の愛用するギターの中でも、特に象徴的なのが「レスポールタイプ」と呼ばれるギターでしょう。
ここでは、ロックギターの王道とも言えるレスポールタイプが、なぜ多くのギタリストを魅了し続けるのか、その特徴をサウンド、演奏性、見た目の3つの側面から詳しく解説していきます。

ミセスの曲を聴いてギターを始めたくなった!という方は必見ですよ!大森さんが弾くギターの秘密に迫ってみましょう。
サウンドの核心は「ハムバッカー」にあり
レスポールタイプの最大の特徴は、なんといってもそのパワフルで甘く、太いサウンドにあります。この独特な音を生み出している中心的な役割を担っているのが、「ハムバッカー」という種類のピックアップ(弦の振動を電気信号に変えるマイク)です。
ハムバッカーは、コイルを2つ組み合わせた構造になっており、シングルコイルという別のタイプのピックアップに比べてノイズが少なく、より力強い信号を出力します。このため、アンプに繋いで音を歪ませた時に、粘り気のある伸びやかなロックサウンドを得意とします。
Mrs. GREEN APPLEの楽曲で例えるなら、「インフェルノ」や「青と夏」のような疾走感あふれるロックナンバーで聴ける、あの存在感のあるギターサウンドは、まさにレスポールタイプならではの魅力と言えるでしょう。
一方で、ボリュームを少し絞れば、「点描の唄 (feat. 井上苑子)」のようなバラードにもマッチする、温かくメロウなトーンを奏でることも可能です。
レスポールサウンドのポイント
- ハムバッカーピックアップによる、ノイズの少ないパワフルな音
- 歪ませると粘りがあり、サステイン(音の伸び)が豊かになる
- ロックだけでなく、ジャズやブルースなど幅広いジャンルに対応できる懐の深さ
演奏性とボディ形状の関係性
サウンドだけでなく、その弾き心地や構えた時の感覚もレスポールタイプを特徴づける重要な要素です。
まず、多くのレスポールタイプは、ボディにマホガニーという木材が使われており、これが豊かで温かみのある中低音域を生み出しています。しかし、このマホガニーは比較的重い木材であるため、ギター全体の重量が重くなる傾向にあります。
立って演奏する際には、肩への負担を感じる方もいるかもしれません。ただ、この重さが、どっしりとした安定感のあるサウンドと豊かなサステインに繋がっているのも事実なのです。
また、ネック(ギターの握る部分)がボディに深く接着された「セットネック」という構造も特徴の一つ。これにより弦の振動がボディ全体に効率よく伝わり、一体感のある鳴りを実現します。
一方で、この構造は高音域のフレットが弾きにくいという側面も持ち合わせています。ボディとネックの接合部分が厚いため、手が小さい方や初心者の方は、ハイポジションでの演奏に少し慣れが必要になるでしょう。
演奏する上での注意点
レスポールタイプは魅力的なギターですが、購入前に知っておきたい注意点もあります。特に、本体の重さとハイポジションの弾きにくさは、実際に楽器店で試奏して、ご自身の体格やプレイスタイルに合うか確認することをおすすめします。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
サウンド | パワフルで太く、甘い音色。サステインが豊か。 | 歯切れの良いシャープなサウンドは少し苦手な傾向。 |
演奏性 | 弦の張りが比較的弱く、チョーキングなどがしやすい。 | ボディが重い。ハイポジションが弾きにくい場合がある。 |
見た目 | 高級感があり、美しいアーチトップが特徴的。 | 伝統的なデザインが故に、好みが分かれる可能性も。 |
時代を超えて愛される美しいデザイン
レスポールタイプのギターが持つ魅力は、音や演奏性だけにとどまりません。高級感あふれる美しいルックスも、多くのギタリストの所有欲を掻き立てる大きな理由です。
ボディのトップには美しいカーブを描く「アーチトップ」加工が施され、光の当たり方によって様々な表情を見せてくれます。また、塗装のカラーバリエーションも非常に豊富で、木目を活かした「サンバースト」と呼ばれる伝統的なカラーから、モダンで個性的なカラーまで多岐にわたります。
ちなみに、大森元貴さんがよく使用している黄色いギターは、「レスポール・スペシャル」というモデルで、通常のレスポールからアーチトップなどの装飾を省いたシンプルなバージョンです。この「TVイエロー」と呼ばれる独特のカラーは、彼のトレードマークの一つにもなっています。
豆知識:レスポールの派生モデル
一口に「レスポールタイプ」と言っても、実は様々なバリエーションが存在します。大森さんが使う「スペシャル」や、さらにシンプルな「ジュニア」など、それぞれに違った魅力があります。ミセスのサウンドを目指すなら、こうした派生モデルに注目してみるのも面白いかもしれませんね。

このように、レスポールタイプはパワフルなサウンドと美しい見た目を持ちながらも、少し扱いにくい部分もある、まさに「じゃじゃ馬」のようなギターなのです。だからこそ、多くのギタリストを虜にするのかもしれませんね!
ミセスの曲演奏におすすめのギターの種類
- 王道のストラトキャスタータイプ
- カッティングが映えるテレキャスタータイプ
- パワフルなサウンドのレスポールタイプ
- 幅広い音作りができるセミアコタイプ
- 憧れのメンバーと同じモデルから選ぶ
王道のストラトキャスタータイプ
Mrs. GREEN APPLEのギタリスト、若井滉斗さんが奏でるサウンドの核を担っているのが、エレキギターの代名詞とも言える「ストラトキャスター」タイプのモデルです。彼らの楽曲を聴けば、その多彩な表現力がいかにバンドサウンドに貢献しているかが分かるでしょう。
ここでは、なぜストラトキャスターが多くのギタリストに選ばれるのか、そしてMrs. GREEN APPLEの音楽においてどのような役割を果たしているのかを、具体的に掘り下げていきます。

ミセスの曲をコピーしたいと思ったら、まずストラトキャスタータイプのギターをチェックするのがおすすめだよ!本当に色々な音が出せるから、一気に演奏の幅が広がるはず。
ストラトキャスターが持つサウンドの魅力
ストラトキャスターが「王道」と呼ばれる最大の理由は、その圧倒的なサウンドの多様性にあります。このギターには、通常「ピックアップ」と呼ばれる、弦の振動を電気信号に変えるためのマイクが3つ搭載されています。
この3つのピックアップを、本体についているスイッチで切り替えたり組み合わせたりすることで、一本のギターとは思えないほど多彩な音色を生み出すことが可能なのです。
例えば、フロント(ネック側)のピックアップを使えば甘く丸いトーンが得られますし、リア(ブリッジ側)に切り替えれば硬質でエッジの効いたサウンドに変化します。
そして、フロントとセンター、あるいはセンターとリアのピックアップを同時に鳴らす「ハーフトーン」は、鈴が鳴るような美しく繊細なサウンドで、ストラトキャスターならではの魅力と言えるでしょう。
ピックアップの組み合わせとサウンドの変化
ストラトキャスターの多くは5段階の切り替えスイッチ(5wayセレクター)を備えています。これにより、以下のようなサウンドバリエーションが生まれます。
- ポジション1(リア): 最も硬く、攻撃的なサウンド。ロックなリフに最適。
- ポジション2(リア+センター): 独特の歯切れ良さを持つハーフトーン。カッティングに多用される。
- ポジション3(センター): バランスの取れた中音域が特徴。
- ポジション4(センター+フロント): 甘さと歯切れ良さを両立したハーフトーン。
- ポジション5(フロント): 最も太く、甘いサウンド。ブルースやジャズ、リードプレイに向いている。
若井滉斗さんが愛用する具体的なモデル
若井滉斗さんも、このストラトキャスターのポテンシャルを最大限に活かして、楽曲に彩りを加えています。彼がメインで使用しているのは、主にヴィンテージ仕様を再現したFender Custom Shop製のモデルです。
長年使い込まれたかのような風合いを持つ「レリック加工」が施されたギターは、見た目の貫禄はもちろん、サウンド面でも枯れた味わい深いトーンを生み出します。
具体的な楽曲で言えば、「インフェルノ」の攻撃的なギターリフではリアピックアップのエッジの立ったサウンドが活かされ、「青と夏」の爽快なカッティングではハーフトーンの煌びやかな音色が楽曲の疾走感を演出しています。
また、「僕のこと」のような壮大なバラードでは、フロントピックアップの温かく包み込むようなトーンが感動的なメロディを支えているのです。
ストラトキャスターを選ぶメリットと注意点
これからギターを始めたい方や、2本目のギターを探している方にとって、ストラトキャスターは非常に有力な選択肢となります。しかし、メリットだけでなく、いくつか知っておきたい注意点も存在します。
ストラトキャスターの主なメリット
最大の利点は、前述の通り、そのサウンドバリエーションの豊富さです。ロック、ポップス、ブルース、ジャズなど、どんな音楽ジャンルにも対応できる汎用性の高さは他のモデルの追随を許しません。また、体にフィットするように設計されたボディ形状は抱えやすく、立っても座っても演奏しやすい点も魅力の一つでしょう。
一方で、注意すべき点も把握しておくことが大切です。
ストラトキャスターの注意点
ストラトキャスターに多く採用されている「シングルコイル」ピックアップは、構造上、蛍光灯やパソコンなどの電化製品が発する電磁波を拾いやすく、「ジー」というノイズが発生しやすい特性があります。
特に強く音を歪ませるセッティングではノイズが目立ちやすくなるため、ライブやレコーディングの際にはノイズ対策が必要になる場合もあります。最近では、ノイズを軽減した「ノイズレスピックアップ」を搭載したモデルも登場しています。
このように、ストラトキャスターは無限の可能性を秘めたギターであり、そのポテンシャルを理解し使いこなすことで、Mrs. GREEN APPLEのような多彩な音楽表現が可能になります。若井滉斗さんのプレイに憧れてギターを手に取るのであれば、この王道モデルの魅力をぜひ体感してみてください。
カッティングが映えるテレキャスタータイプ
Mrs. GREEN APPLEの楽曲を彩る重要な要素の一つに、若井滉斗さんの弾くリズミカルなギターサウンドが挙げられます。特に、楽曲に躍動感と華やかさをもたらす「カッティング」という奏法は、彼らの音楽に欠かせません。
そして、この切れ味鋭いカッティングサウンドを鳴らす上で、非常に相性が良いのがテレキャスタータイプのギターなのです。この記事では、なぜテレキャスターがミセスの楽曲に適しているのか、その魅力と特徴について詳しく解説していきます。

「インフェルノ」や「青と夏」で聴ける、あの「ジャキッ!」とした気持ちいい音の秘密が、このテレキャスタータイプにあるんですね!
テレキャスターが持つサウンドの秘密
テレキャスタータイプがカッティングに適している最大の理由は、その独特のサウンド特性にあります。主に、ギターの音を拾うマイクの役割を果たす「ピックアップ」というパーツが大きく関係しています。
多くのテレキャスターには、「シングルコイル」という種類のピックアップが2基搭載されています。このシングルコイルピックアップは、高音域がはっきりとしていて、輪郭の際立ったサウンドを生み出す特徴を持っています。
そのため、弦をリズミカルに刻むカッティング奏法を行うと、一音一音の粒立ちが良く、非常に歯切れの良いサウンドを奏でることができるのです。
例えば、コードを弾いたときも、音が濁らずに各弦の音がきれいに分離して聞こえるため、バンドアンサンブルの中でも埋もれにくい、存在感のある音を出すことが可能になります。
- 高音域が強調されたシャープな音
- アタック感(弦を弾いた瞬間の音)が強く、反応が速い
- コード弾きでも音が分離しやすく、クリアに聞こえる
若井滉斗さんも愛用する一本
Mrs. GREEN APPLEのギタリスト若井滉斗さんも、レコーディングやライブでテレキャスタータイプのギターを頻繁に使用しています。特に有名なのは、ゴールドのカラーリングが印象的なFender Custom Shop製のテレキャスターでしょう。
彼の正確無比なピッキングと、テレキャスターが持つシャープなサウンドが組み合わさることで、ミセスの楽曲に独特のグルーヴが生まれています。
他にも、よりパワフルな音が出せるように改造されたモデルや、自身のシグネチャーモデルなど、様々なギターを使い分けていますが、彼のサウンドの根幹には、このテレキャスタータイプのサウンドがあると言えるでしょう。
このように、プロの現場でも選ばれる信頼性とサウンドクオリティが、テレキャスタータイプの大きな魅力の一つとなっています。
メリットだけでなく注意点も
ミセスのサウンドを再現するのに最適なテレキャスタータイプですが、いくつか知っておきたいメリットと注意点があります。ギター選びの際には、これらの点を総合的に判断することが大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | キレのあるカッティングやアルペジオに最適。構造がシンプルで初心者にも扱いやすく、メンテナンスもしやすい。バンドの中でも音が抜けやすい。 |
デメリット・注意点 | シングルコイル特有のノイズ(ジーという音)を拾いやすい。激しいロックで使われるような、太くパワフルな歪みサウンドは少し苦手な傾向がある。 |
特に、ノイズの問題はシングルコイルピックアップの宿命とも言えます。自宅で練習する際にはあまり気にならないかもしれませんが、ライブハウスの大きなアンプで音を出すと、照明などの影響でノイズが目立ってしまうこともあります。
テレキャスターのサウンドの要であるシングルコイルピックアップは、構造上、ノイズを拾いやすいという弱点があります。最近では、ノイズを軽減する「ノイズレスピックアップ」が搭載されたモデルも販売されているので、ノイズが気になる方は、そういったモデルを探してみるのも一つの手です。

なるほど!あのカッコいい音には、ちょっとした弱点もあるんですね。でも、それを差し引いても魅力的なギターだということがよく分かります!
いずれにしても、テレキャスタータイプは、Mrs. GREEN APPLEの楽曲が持つ軽快さやきらびやかさを表現したいギタリストにとって、非常に強力な武器となることは間違いありません。これからギターを始める方で、ミセスの曲をコピーしたいと考えているのであれば、ぜひ候補に入れてみてはいかがでしょうか。
パワフルなサウンドのレスポールタイプ
Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)の楽曲で鳴り響く、あの厚みと迫力に満ちたギターサウンド。その中心的な役割を担っているのが、ギタリスト若井滉斗さんが愛用する「レスポール」タイプのギターです。
ここでは、ミセスのロックな側面を力強く支える、レスポールタイプのギターが持つ魅力と特徴について、詳しく掘り下げていきます。パワフルなサウンドの秘密から、選ぶ際のポイントまで分かりやすく解説します。

「インフェルノ」や「青と夏」で聴ける、あのカッコいいギターリフはレスポールならではの音だったんですね!
レスポールが持つ「太く・甘い」サウンドの秘密
レスポールタイプのギターがなぜパワフルなサウンドを生み出すのか、その理由は主に構造と搭載されているパーツにあります。
まず、サウンドの心臓部ともいえるピックアップ(弦の振動を電気信号に変えるマイク)に、「ハムバッカー」という種類が搭載されている点が大きな特徴です。
シングルコイルという別のピックアップに比べて、ハムバッカーはノイズに強く、よりパワフルで温かみのある太い音を出力します。これが、深く歪ませても音の芯が潰れない、ロックサウンドに最適な音作りの基盤となっているのです。
加えて、ボディの木材もサウンドに大きく影響を与えています。多くはマホガニーという木材をボディに使用し、その上にメイプルという別の木材を貼り合わせた構造になっています。この組み合わせが、レスポール特有の豊かな中低音域と、きらびやかな高音域、そして長いサステイン(音の伸び)を生み出します。
レスポールは、ボディとネックを接着剤で強力に接合する「セットネック」という方式で作られています。これにより弦の振動がボディ全体に伝わりやすくなり、一体感のある豊かな鳴りと長いサステインが実現できるのです。
若井滉斗さんが奏でるレスポールサウンド
若井滉斗さんは、複数のレスポールを楽曲やライブのコンセプトに合わせて使い分けています。その中でも特に有名なのが、高級感あふれるルックスのGibson Les Paul Custom、通称「ブラック・ビューティー」や「黒カス」と呼ばれるモデルです。
このギターは、レスポールの中でも上位機種に位置し、引き締まった低音とクリアな高音が特徴とされます。ミセスの楽曲で聴ける、ドライブ感の強いギターリフから、メロディアスなギターソロまで、幅広い表現を可能にする一本と言えるでしょう。
他にも、伝統的なレスポールの魅力を凝縮したGibson Les Paul Standardなども使用しており、曲のイメージに合わせて最適な一本を選んでいる様子がうかがえます。
モデル名 | 主な特徴 | サウンドの傾向 |
---|---|---|
Gibson Les Paul Custom | 黒いボディに金色のパーツが映える高級感のあるルックス。指板にはエボニー材が使われることが多い。 | タイトで輪郭のはっきりしたサウンド。歪ませた時の音の分離が良い。 |
Gibson Les Paul Standard | 美しい木目が特徴的なレスポールの代表的モデル。時代によって仕様が異なる。 | パワフルでバランスの取れた王道のロックサウンド。太く甘いトーンが魅力。 |
レスポールタイプを選ぶメリットと注意点
ミセスのようなサウンドを目指す上で、レスポールは非常に魅力的な選択肢です。しかし、実際に手にする前には、メリットだけでなく知っておくべき注意点も存在します。
- バンドの中でも埋もれないパワフルなサウンド
- ノイズが少なく扱いやすいハムバッカーピックアップ
- 豊かなサステインで伸びやかなソロが弾ける
- ロックの象徴ともいえる高級感のあるデザイン
このように、サウンド面でもルックス面でも強い存在感を放つのがレスポールの大きな利点です。一方で、いくつかの注意点も理解しておく必要があります。
最もよく挙げられるのが「重さ」です。ボディに厚い木材を使用しているため、他のタイプのギターと比較して重い傾向にあります。長時間の練習や、ステージで動き回るようなパフォーマンスをする際には、体力的な負担を感じるかもしれません。
また、ボディとネックの接合部分の構造上、ハイポジション(高音域のフレット)が少し弾きにくいと感じる人もいます。こればかりは個人の手の大きさやプレイスタイルによるため、実際に楽器店で試奏してみることをお勧めします。

憧れのGibsonは価格も気になりますよね…。でも、傘下ブランドのEpiphoneなら、本格的なルックスとサウンドをより手頃な価格で手に入れることができますよ!初心者の方にもおすすめです。
いずれにしても、レスポールタイプが持つパワフルで存在感のあるサウンドは、Mrs. GREEN APPLEの楽曲が持つエネルギーを表現する上で欠かせない要素です。あの分厚いギターサウンドに憧れるのであれば、ぜひ一度、レスポールタイプのギターを手に取ってみてはいかがでしょうか。
幅広い音作りができるセミアコタイプ
Mrs. GREEN APPLEのギタリスト、若井滉斗さんのサウンドを語る上で欠かせないのが「セミアコ」タイプのギターです。
セミアコは、正式にはセミアコースティック・ギターと呼ばれ、エレキギターの中でも特に表現力の幅が広いことで知られています。なぜなら、一般的なエレキギター(ソリッドギター)と、ジャズなどで使われるフルアコースティックギターの、まさに「良いとこ取り」をした構造だからです。

ミセスの若井さんが弾いている赤いギター、印象的ですよね!あれがまさにセミアコの代表的なモデルなんですよ。
セミアコ独自の構造とその魅力
セミアコの最大の特徴は、ボディの内部構造にあります。一般的なエレキギターの多くは「ソリッドボディ」といって、ボディが完全に木材で埋まっています。一方でセミアコは、ボディの内部に空洞部分を持つ「ホロウボディ」構造を採用しているのです。
ただ、完全に空洞なわけではありません。ボディの中央部分には「センターブロック」と呼ばれる木の塊が貫通しています。この構造が、セミアコならではのサウンドを生み出す秘密なのです。
セミアコの構造が生み出すメリット
空洞部分がアコースティックギターのような豊かな鳴りと温かみのある響き(サスティン)を生み出します。そして、センターブロックが弦の振動をしっかりと受け止め、ソリッドギターのような音の芯と伸びやかさを加え、大音量時に起こりがちな「ハウリング」という不快な音のフィードバックを抑制する役割を果たします。
このため、透き通るようなクリーンな音色から、エフェクターで歪ませた力強いロックサウンドまで、一つの楽器で多彩な表現が可能になります。ミセスの楽曲が持つ、静と動が入り混じるドラマチックな展開にも、このギターの特性が非常にマッチしていると言えるでしょう。
セミアコ・フルアコ・ソリッドギターの違い
ここで、他のギタータイプとの違いを簡単に表で比較してみましょう。それぞれの構造を理解すると、セミアコの位置づけがより明確になります。
種類 | ボディ構造 | サウンドの特徴 | 得意なジャンル |
---|---|---|---|
セミアコ | 空洞+センターブロック | 温かみと芯のある音。サスティン豊か。 | ポップス、ロック、ブルース、ジャズなど |
フルアコ | 完全な空洞 | 甘く、空気感のあるメロウな音。 | ジャズ、ブルース |
ソリッド | 木材のみ(空洞なし) | シャープでタイトな音。歪みに強い。 | ロック、ポップス、メタルなど |
メリットだけでなく注意点も
非常に万能なセミアコですが、いくつか知っておきたい注意点も存在します。購入を検討する際には、これらの点も考慮に入れることをお勧めします。
まず、メリットとしては、やはりジャンルを選ばない音作りの幅広さが挙げられます。一本で様々な音楽に対応したい方には最適です。また、見た目もクラシカルで高級感があり、所有する喜びも大きいでしょう。
セミアコの注意点
一方で、ソリッドギターに比べるとボディサイズがやや大きめで厚みがあるため、小柄な方には少し抱えにくく感じられるかもしれません。また、構造上、極端に深い歪みサウンドを作ると、ソリッドギターよりはハウリングが起きやすい傾向にあります。もっとも、センターブロックのおかげでフルアコよりは格段にハウリングに強いです。
このように考えると、セミアコは自分のプレイスタイルや演奏したい音楽を考えた上で選ぶことが大切になります。Mrs. GREEN APPLEの音楽のように、クリーントーンの美しさと、歪ませた時の力強さの両方を求めるギタリストにとって、これ以上ない選択肢の一つだと言えるのではないでしょうか。
豆知識:代表的なモデル「Gibson ES-335」
セミアコの代名詞とも言えるのが、ギブソン社が1958年に発表した「ES-335」です。若井滉斗さんがメインで使用しているのもこのモデルで、世界中の多くのトップギタリストに愛され続けています。その完成度の高さから、様々なメーカーがES-335を元にしたモデルを製造しています。
憧れのメンバーと同じモデルから選ぶ
Mrs. GREEN APPLEの音楽に憧れてギターを始めたいと考えたとき、メンバーが実際に使っているモデルと同じ、あるいは似たタイプのギターを選ぶのは、とても素敵な方法の一つです。なぜなら、憧れのアーティストと同じ楽器を手にすることで、練習へのモチベーションが格段に上がり、目指すべきサウンドのイメージも掴みやすくなるからです。
もちろん、プロが使用する楽器は非常に高価な場合も少なくありません。しかし、各メーカーからは、見た目や基本的な特徴が似ている、より手に入れやすい価格帯のモデルも数多く販売されています。ここでは、Mrs. GREEN APPLEのメンバーが主に使用しているギターの種類と、それぞれの特徴について見ていきましょう。

見た目から入るのも、楽器を続ける上でとっても大事なことだよ!好きなメンバーと同じギターだと、テンションが上がるよね!
大森元貴さん(Vo/Gt)の愛用モデル
ボーカルとギターを務める大森元貴さんは、楽曲の世界観に合わせて様々なギターを使い分けています。その中でも、特に印象的なモデルをいくつかご紹介します。
例えば、フェンダー社のテレキャスター・シンラインが挙げられます。このギターは、ボディの一部が空洞になっている「セミホロウ構造」が特徴で、通常のテレキャスターよりも軽やかで温かみのある、少しアコースティックな響きを持っています。ボディに開けられた「fホール」と呼ばれるf字型の穴が、デザイン上のアクセントにもなっています。
また、同じくフェンダー社のジャズマスターも使用している姿が見られます。ジャズマスターは、その名の通り元々はジャズギタリスト向けに開発されましたが、独特の浮遊感とキレのあるサウンドが多くのロックミュージシャンに愛されています。大きめのボディと特殊なピックアップが生み出すサウンドは、唯一無二の魅力があります。
他にも、ギブソン社のES-335のようなセミアコースティックギターも使用しており、楽曲に深みと彩りを加えています。このように、大森さんは楽曲の雰囲気に合わせて、ギターの個性を巧みに引き出しているのです。
若井滉斗さん(Gt)の愛用モデル
ギタリストの若井滉斗さんは、バンドのサウンドを支えるパワフルなリフから、繊細なアルペジオまで、多彩なプレイスタイルで魅了します。彼のプレイを支えるギターもまた、多様なモデルが知られています。
代表的なものとして、ギブソン社のレスポールが挙げられるでしょう。レスポールは、ロックギターの象徴とも言えるモデルで、太く、力強く、そして甘いトーンが大きな特徴です。特に、歪ませた時のパワフルなサウンドは、多くのギタリストの憧れとなっています。見た目の重厚感もさることながら、実際に重量があるモデルが多いのも特徴の一つです。
一方で、フェンダー社のストラトキャスターも使用します。レスポールとは対照的に、シャープでキレのあるサウンドが持ち味です。3つのピックアップ(音を拾うマイク)とセレクターを切り替えることで、非常に多彩な音作りが可能で、あらゆる音楽ジャンルに対応できる万能さを持っています。
若井さんはこれらの王道モデルを中心に、楽曲やライブのコンセプトに合わせて様々なギターをセレクトし、バンドサウンドの要として活躍しています。
メンバー | 主な使用ギターモデル | サウンドや特徴の傾向 |
---|---|---|
大森元貴さん | フェンダー テレキャスター・シンライン / ジャズマスター、ギブソン ES-335 など | 軽やかで温かみのあるサウンドから、個性的で浮遊感のあるトーンまで、楽曲に合わせて多彩な音色を使い分ける。 |
若井滉斗さん | ギブソン レスポール / フェンダー ストラトキャスター など | ロックの王道である太くパワフルなサウンドと、シャープでキレのあるサウンドを楽曲によって巧みに使い分ける。 |
同じモデルを選ぶ際の注意点
憧れのメンバーと同じモデルを選ぶことは多くのメリットがありますが、いくつか知っておきたい注意点も存在します。
まず、本人たちが使用しているギターは、プロ仕様のハイエンドモデルや、現在では生産されていないヴィンテージ品であることが多く、非常に高価で入手困難な場合があります。そのため、全く同じものを手に入れるのは、特に初心者の方にとっては現実的ではないかもしれません。
忘れてはならないのが、ギターの音は本体だけで決まるわけではないという点です。アンプ(音を増幅する機材)やエフェクター(音を加工する機材)、そして何よりもプレイヤー自身の弾き方がサウンドに大きく影響します。同じギターを手に入れても、すぐにメンバーと同じ音が出せるわけではないことを理解しておきましょう。
しかし、心配する必要はありません。フェンダー社の傘下には「Squier(スクワイヤー)」、ギブソン社の傘下には「Epiphone(エピフォン)」というブランドがあります。これらのブランドは、本家のモデルのデザインや基本的な仕様を受け継ぎながら、より手頃な価格でギターを製造・販売しており、初心者の方でも安心して手に取ることができます。
このように、まずは廉価版のモデルから始めて、憧れのサウンドに近づけるよう練習に励むのがおすすめです。見た目が似ているだけでも、練習の楽しさは大きく変わってくるはずです。
まとめ:ミセスを参考にギターの種類を選んでみよう
Mrs. GREEN APPLEの大森さんと若井さんは、楽曲に合わせて多彩なギターを使い分けています。本記事ではテレキャスターやレスポールなど、彼らが愛用する各モデルの特徴を詳しく解説しました。サウンドや演奏性を参考に、あなたにぴったりの一本を見つけるヒントにしてください。
- 大森元貴のメインギターはパワフルなハムバッカー搭載のテレキャスターデラックス
- 楽曲に温かみを加えるためギブソンのセミアコES-335も頻繁に選択される
- 弾き語りではパワフルで歯切れの良いアコギのギブソンJ-45を愛用している
- 若井滉斗はレスポールカスタムを使い重厚なリフやエモーショナルなソロを奏でる
- 爽快な楽曲ではテレキャスターのシャープな音色で軽快なカッティングを聴かせる
- モダンで多彩な表現を可能にするPRSギターも近年ではライブでよく使用される
- テレキャスターはシングルコイル特有の鋭く歯切れの良いサウンドが大きな特徴
- ジャズマスターは専用ピックアップにより太く甘いトーンと鋭い高音域を両立
- レスポールタイプはハムバッカーを搭載し粘りのある伸びやかなロックサウンドが得意
- ストラトキャスターは3つのピックアップを切り替え多彩な音作りができる万能機
- ハーフトーンと呼ばれる鈴鳴りのような美しい響きはストラトキャスターならでは
- セミアコはボディ内部の空洞がアコースティックのような豊かな響きを生み出す
- センターブロック構造により大音量時のハウリングが起きにくいという利点もある
- 憧れのメンバーと同じモデルを選ぶことは練習へのモチベーションを格段に上げる
- 初心者は本家傘下のスクワイヤーやエピフォンから選ぶのもおすすめの方法である