人気のスタイリング剤、N.ナチュラルバーム。愛用している方も多い一方で、「最近なんだか油臭い…?」と、その変化に戸惑った経験はありませんか。本来はマンダリンオレンジとベルガモットの香りが魅力的なはずなのに、なぜ不快な臭いに変わってしまうのでしょうか。
その原因は一つではありません。時間の経過によるオイルの酸化はもちろんのこと、高温多湿な場所での保管や、開封してから長期間が経過したことなど、日々の扱い方が大きく影響している可能性があります。あまり考えたくはありませんが、偽物や模倣品の可能性も否定できません。
しかし、ご安心ください。この記事では、そんなお悩みを解決するため、まずはバームの状態を確認する方法から丁寧に解説します。
そして、具体的な対処法として、基本となる直射日光を避け冷暗所で保管する方法や、スパチュラを使い清潔に保つコツ、どうしても香りが気になるときの裏技として香りの良いヘアオイルと混ぜて使うアイデア、さらには発想を転換してハンドケアやボディケアとして活用する方法まで、幅広くご紹介していきます。
N.ナチュラルバームが臭いと感じたら保管方法と使い方を見直すことで、お気に入りのアイテムを最後まで気持ちよく使い切るヒントがきっと見つかるはずです。ぜひ最後まで読み進めて、快適なバームライフを取り戻しましょう。
- 愛用のバームが臭くなる本当の原因がわかる
- 劣化のサインを見極め良い香りを長持ちさせる方法を知れる
- 臭いが気になり始めたバームを無駄にしない活用術がわかる
- 知らないと損する偽物の見分け方と安心して購入するコツ
目次
N.ナチュラルバームが臭いと感じる?考えられる5つの原因
- 本来はマンダリンオレンジ&ベルガモットの香り
- 原因①:時間の経過によるオイルの酸化
- 原因②:高温多湿な場所での保管
- 原因③:開封してから長期間が経過
- 原因④:偽物や模倣品の可能性
本来はマンダリンオレンジ&ベルガモットの香り
N.(エヌドット)ナチュラルバームが「臭い」と感じる時、まず確認したいのが本来の香りです。結論からお伝えすると、N. ナチュラルバームの香りは、公式に「マンダリンオレンジ&ベルガモットの香り」とされています。
これは、多くの人にリラックス感を与える、爽やかで心地よい柑橘系の香りが特徴となっています。


香りの源は天然由来の精油
N. ナチュラルバームの心地よい香りは、人工的な香料ではなく、天然由来の精油(エッセンシャルオイル)によって生み出されています。
公式サイトの成分表示を見ると、以下のような柑橘系の精油が配合されていることがわかります。(参照:N.公式サイト)
| 精油の種類 | 香りの特徴 |
|---|---|
| マンダリンオレンジ果皮油 | 甘くフルーティーで、心を落ち着かせてくれるような優しい香りです。 |
| ベルガモット果実油 | 紅茶のアールグレイの香り付けにも使われる、爽やかさとほのかな苦みが特徴のリフレッシュする香りです。 |
| オレンジ果皮油 | 親しみやすく、明るく前向きな気分にさせてくれるような甘い香りがします。 |
| ビターオレンジ葉/枝油 | プチグレンとも呼ばれ、ウッディな深みとフローラルな印象を併せ持つ、落ち着いた香りです。 |
このように、複数の天然精油を絶妙にブレンドすることで、単なるオレンジの香りではない、奥行きのある洗練された香りを実現しているのです。
N. ナチュラルバームの香りは、天然由来成分にこだわって作られています。そのため、合成香料のように強く主張するのではなく、ふんわりと優しく香るのが魅力です。つける人の体温によっても香りの立ち方が微妙に変化し、自分だけの自然な香りとして楽しむことができます。
香りの感じ方には個人差も
一方で、香りの感じ方には個人差があるという点も理解しておく必要があります。
本来は心地よいはずのマンダリンオレンジ&ベルガモットの香りですが、人によっては少し違った印象を受けるかもしれません。
普段から合成香料に慣れている場合、天然精油の繊細な香りを「物足りない」と感じたり、逆に精油の原料臭や、ベースとなるシアバターなどのオイルの匂いを強く感じてしまうことがあります。これが、「想像していた香りと違う」あるいは「臭い」と感じる一因になる可能性も考えられるでしょう。
もしあなたが購入したばかりのN. ナチュラルバームの香りを「臭い」と感じた場合、まずは本来の香りが「天然由来の柑橘系の香り」であることを思い出してみてください。それでも明らかに油が酸化したような不快な臭いがする場合は、製品が劣化している可能性を疑う必要があります。
原因①:時間の経過によるオイルの酸化
お気に入りのN.ナチュラルバームを使おうとしたら、「あれ?なんだか変な臭いがする…」と感じた経験はありませんか。その不快な臭いの最も一般的な原因は、時間の経過によるオイルの「酸化」です。
ここでは、なぜバームが酸化してしまうのか、その仕組みと対策について詳しく解説していきます。


天然由来成分だからこそ起こる「酸化」
N.ナチュラルバームが多くの人に愛される理由の一つは、シアバターやミツロウといった天然由来のオイルやバターを主成分としている点にあります。しかし、これらの自然の恵みは、化学的に合成された成分に比べてデリケートな性質を持っています。
言ってしまえば、キッチンの食用油が古くなると嫌な臭いがするのと同じ原理です。バームに含まれるオイル成分が、空気中の酸素に長時間触れたり、熱や光の影響を受けたりすることで化学反応を起こし、劣化してしまうのです。この現象が「酸化」と呼ばれます。
酸化が進むと、バーム本来のマンダリンオレンジ&ベルガモットの爽やかな香りも失われ、「古くなった油」や「ロウソクのような」と表現される独特の臭いが発生することがあります。
酸化を早めてしまう主な要因
バームの酸化は、日々の使い方や保管環境によって進行速度が大きく変わってきます。主に、以下のような要因が酸化を促進させると考えられています。
酸化を促進する4大要因
- 酸素:蓋の開け閉めを繰り返すことで、バームが空気に触れる機会が増えます。
- 光(紫外線):直射日光が当たる場所に置いていると、紫外線がオイルの劣化を早めます。
- 熱:温度が高い場所に保管すると、化学反応が活発になり酸化が進みやすくなります。
- 雑菌:指で直接バームを取ると、皮脂や雑菌が容器内に入り込み、品質低下の原因となることがあります。
例えば、洗面所やお風呂場など、湿度や温度が高くなりやすい場所に保管するのはあまり良くありません。また、窓際など直射日光が当たるドレッサーも避けた方が賢明でしょう。
酸化してしまったバームは使っても大丈夫?
「少し臭いが気になるけど、まだたくさん残っているから使いたい」と思うかもしれません。しかし、酸化したオイルは本来の品質を損なっている状態です。
酸化したバームを使い続けるリスク
酸化したオイルは、髪や肌にとって刺激となる可能性があります。特に肌が敏感な方の場合、肌荒れやかゆみといった思わぬトラブルを引き起こすことも考えられます。不快な臭いを感じたら、使用を中止するのがおすすめです。
もったいないと感じるかもしれませんが、髪や肌の健康を第一に考えることが大切です。


このように、N.ナチュラルバームの臭いの変化は、主にオイルの酸化が原因です。製品が天然由来成分で作られている証拠とも言えますが、良い状態で長く使うためには、正しい知識と保管方法が重要になります。
原因②:高温多湿な場所での保管
N.ナチュラルバームの心地よい香りが、いつの間にか不快な臭いに変わってしまった経験はありませんか。その原因の一つとして、「高温多湿な場所での保管」が大きく関係している可能性があります。特に天然由来成分を豊富に含む製品は、保管環境によって品質が左右されやすいのです。
ここでは、なぜ高温多湿な環境がバームの臭いを引き起こすのか、その理由と具体的な対策について詳しく解説していきます。


高温多湿が引き起こす「オイルの酸化」とは?
N.ナチュラルバームの主成分は、シアバターをはじめとする天然由来のオイルです。これらのオーガニック成分は髪や肌に優しい一方で、熱や湿気、光に対して非常にデリケートな性質を持っています。
高温多湿な場所に長期間置かれると、バームに含まれるオイルが空気中の酸素と結びつき、化学変化を起こしてしまいます。これが「酸化」と呼ばれる現象です。酸化が進むと、成分が劣化し、油が古くなったような嫌な臭い(酸化臭)を発生させる直接的な原因となります。
一度酸化してしまったオイルの臭いは、残念ながら元に戻すことはできません。だからこそ、酸化させないための「保管場所」がとても重要になるのです。
こんな場所は避けて!NGな保管場所の具体例
知らず知らずのうちに、バームの品質を劣化させる場所に置いてしまっているかもしれません。以下の場所は特に注意が必要です。
バームの保管に不向きな場所
- 浴室・洗面所:毎日の入浴で高温多湿になりやすく、酸化を最も促進しやすい環境です。
- 直射日光が当たる窓際:日光に含まれる紫外線と熱が、直接的に品質劣化を招きます。
- 夏場の車内:短時間でも車内は驚くほどの高温になります。絶対に放置しないでください。
- 暖房器具の近く:冬場でもストーブやヒーターの近くは高温になりやすいため、避けるべきです。
これらの場所に共通するのは、「温度」と「湿度」の変化が激しい点です。温度変化によってバームが溶けたり固まったりを繰り返すことも、品質を不安定にさせる一因となります。
| 保管場所 | 温度 | 湿度 | 危険度 |
|---|---|---|---|
| 浴室 | 高い | 高い | 非常に高い |
| 夏場の車内 | 非常に高い | 高い | 非常に高い |
| 窓際 | 高い(直射日光) | 普通 | 高い |
| リビングの棚 | 安定 | 安定 | 低い |
バームを長持ちさせる正しい保管方法
それでは、どこに保管するのが最適なのでしょうか。大切なのは、温度と湿度が安定している場所を選ぶことです。
おすすめの保管場所
基本は「直射日光が当たらず、涼しくて風通しの良い場所」です。具体的には、以下のような場所が適しています。
- ドレッサーやクローゼットの引き出しの中
- 直射日光の当たらないリビングの棚
- コスメ専用の収納ボックスの中
毎回使うたびに元の場所に戻す習慣をつけることで、うっかりNGな場所に置き忘れるのを防げます。
【豆知識】冷蔵庫での保管はアリ?ナシ?
「涼しい場所なら冷蔵庫は?」と考える方もいるかもしれません。しかし、N.ナチュラルバームの冷蔵庫保管はあまりおすすめできません。なぜなら、冷えすぎてバームが硬くなり、手に取って伸ばしにくくなってしまうからです。また、冷蔵庫から出し入れする際の急激な温度変化が、かえって品質劣化を招く可能性も指摘されています。
常温で、涼しい場所に保管するのがベストな選択と言えるでしょう。
このように、ほんの少し保管場所を意識するだけで、N.ナチュラルバームの品質を良好に保ち、最後まで心地よい香りとともにお使いいただくことができます。もし今、洗面所などに置いている場合は、ぜひ今日から保管場所を見直してみてください。
原因③:開封してから長期間が経過
あなたが使っているN.ナチュラルバーム、購入したての頃とは違う、少し嫌な臭いがする…。もしかしたら、開封してから時間が経ちすぎているのかもしれません。
N.ナチュラルバームは、時間の経過によって品質が変化し、それが臭いの原因となることがあります。なぜなら、製品の主成分が天然由来のオイルやバターだからです。
これらの天然成分は、化学的に合成された防腐剤をほとんど使用していないため、空気に触れることで「酸化」という化学変化を起こしやすくなっています。酸化した油が、古い油のような、いわゆる「油臭い」と感じる臭いの正体なのです。


使用期限はどのくらい?
化粧品には、未開封の状態で製造から3年間は品質が保たれるよう設計されているものが多くあります。しかし、これはあくまで未開封の場合です。
一度開封してしまうと、空気に触れたり、指で直接取ることで雑菌が混入したりする可能性があり、品質の劣化が始まります。N.ナチュラルバームの公式サイトでは明確な使用期限は記載されていませんが、一般的に天然成分を多く含む製品は、開封後半年から1年以内に使い切ることが推奨されています。
これはあくまで目安であり、保管状況によって劣化のスピードは変わるため、次に紹介する「酸化のサイン」にも注意を払う必要があります。
酸化を見分ける3つのサイン
臭い以外にも、バームが酸化しているかどうかを見分けるサインがいくつかあります。お手元のバームをチェックしてみましょう。
バームの酸化を見分けるポイント
- 色の変化:新品の時は乳白色に近い色ですが、酸化が進むと黄色っぽく変色してきます。
- テクスチャーの変化:オイル分が分離して表面に浮いてきたり、全体的にザラザラとした感触になったりすることがあります。
- 香りの変化:これが最も分かりやすいサインです。本来の柑橘系の爽やかな香りではなく、ロウソクや古い油のような酸っぱい臭いがしたら酸化している証拠でしょう。
酸化を防ぐ!正しい保管方法
N.ナチュラルバームの酸化を防ぎ、できるだけ長く良い状態で使うためには、保管方法が非常に重要になります。以下の点に注意して保管してみましょう。
高温・多湿・直射日光は避ける
酸化は温度や光によって促進されます。そのため、直射日光が当たる窓際や、湿気の多いお風呂場、夏場の車内などでの保管は絶対に避けてください。涼しくて風通しの良い、暗い場所で保管するのが理想的です。
ちなみに、「冷蔵庫で保管すれば長持ちするのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、冷蔵庫での保管は、急激な温度変化により成分が分離したり、テクスチャーが硬くなりすぎたりする原因となるため、メーカーが推奨していない限りは避けた方が無難でしょう。
もし酸化してしまったら?髪への使用は避けるべき
残念ながら、一度酸化してしまったバームを元の状態に戻すことはできません。そして、酸化したバームを髪や肌に使用するのはおすすめできません。
なぜならば、酸化した油分は髪や頭皮にダメージを与え、トラブルの原因となる可能性があるからです。せっかくヘアケアのために使っているのに、逆に髪を傷めてしまっては本末転倒です。
「もったいない」と感じるかもしれませんが、異変を感じた場合は潔く使用を中止しましょう。
こんな使い道も?
もし髪への使用を諦めた場合でも、革製品のお手入れに活用するという方法もあります。例えば、革の靴やカバンに少量塗り込むと、油分が革に潤いを与え、ツヤ出しの効果が期待できる場合があります。ただし、まずは目立たない場所で試してから自己責任で行ってください。
このように、N.ナチュラルバームの臭いの原因は、時間の経過による成分の酸化が大きく関係しています。製品の特性を理解し、正しい保管方法で、開封後はなるべく早めに使い切ることを心がけましょう。
原因④:偽物や模倣品の可能性
N.ナチュラルバームを使っていて「あれ?なんだか変な臭いがする…」と感じた場合、もしかしたら製品そのものが正規品ではない可能性が考えられます。
結論から言うと、N.ナチュラルバームは絶大な人気を誇る製品だからこそ、残念ながら市場には精巧に作られた偽物や模倣品が出回っているという実態があるのです。これらの非正規品は、見た目がそっくりでも中身は全くの別物であることが少なくありません。
なぜなら、偽物はコストを極限まで抑えるために、正規品とは異なる安価で質の低い原料を使用しているケースがほとんどだからです。
例えば、酸化しやすい粗悪なオイルが使われていると、油が古くなったような不快な臭いの原因となります。また、衛生管理が徹底されていない環境で製造されている可能性も否定できず、雑菌が繁殖して異臭を放っていることも考えられるでしょう。


このように、正規品と偽物とでは、品質に天と地ほどの差があります。大切な髪や肌に使うものだからこそ、しっかりと本物を見極めたいものです。
正規品と偽物を見分けるチェックポイント
ここでは、偽物を避けるために確認したい具体的なポイントをいくつか紹介します。もし購入した製品に違和感を覚えたら、ぜひ一度チェックしてみてください。
| チェック項目 | 正規品の特徴 | 偽物の可能性が高い特徴 |
|---|---|---|
| 販売価格 | 定価、またはそれに近い価格で販売されている。 | 定価から大幅に値引きされている。極端に安い。 |
| パッケージ | 箱や容器の印刷が鮮明。ロゴのフォントやデザインに違和感がない。 | 印刷が不鮮明、にじんでいる。文字のフォントが微妙に違う。箱が潰れていたり、質感が安っぽかったりする。 |
| ロット番号 | 容器の底面などに英数字のロット番号が印字されている。 | ロット番号の印字がない、または不自然な印字になっている。 |
| 香り・テクスチャー | マンダリンオレンジ&ベルガモットの爽やかな香り。滑らかな質感。 | 油臭い、原料臭がする、香りが全く違う。ザラザラしていたり、異常にベタついたりする。 |
特に、価格が極端に安いものには十分な注意が必要です。「お得だから」と安易に手を出してしまうと、結果的に質の悪い製品を掴まされることになりかねません。
非正規ルートでの購入には注意を
フリマアプリやオークションサイト、あるいは正規取扱店ではないオンラインショップなどで販売されている製品は、偽物であるリスクが非常に高まります。これらの非正規品は、思わぬ肌トラブルやアレルギー反応を引き起こす可能性も指摘されています。
万が一トラブルが起きても、メーカーの保証は受けられません。安心して使用するためにも、購入場所を慎重に選ぶことが大切です。
もしお手元のN.ナチュラルバームの臭いが気になるのであれば、まずは購入した場所を思い出してみてください。そして、上記で紹介したポイントと照らし合わせてみることをお勧めします。
最も確実な対策は、信頼できる正規取扱店で購入することです。N.製品を取り扱っている美容室や、メーカーの公式オンラインストアなどを利用すれば、偽物を手にする心配はありません。
(参照:株式会社ナプラ公式サイト)
これらの理由から、不快な臭いの原因が偽物である可能性を念頭に置き、信頼できるルートでの購入を心がけることが、快適にN.ナチュラルバームを使い続けるための鍵となります。
N.ナチュラルバームの臭いを気にせず快適に使うための対処法
- まずはバームの状態を確認しよう
- 対処法①:直射日光を避け冷暗所で保管する
- 対処法②:スパチュラを使い清潔に保つ
- 対処法③:香りの良いヘアオイルと混ぜて使う
- 対処法④:ハンドケアやボディケアとして活用する
まずはバームの状態を確認しよう
「N.ナチュラルバームの香りが、なんだかいつもと違う…?」と感じたら、まずは焦らずにバームそのものの状態を確認することが大切です。なぜなら、臭いの原因の多くが、製品の劣化によるものだからです。
特にN.ナチュラルバームは、シアバターなど天然由来の成分を豊富に含んでいます。これは髪や肌に優しいという大きなメリットである一方、化学的な防腐剤を多用した製品に比べて、保管状況や時間の経過によって品質が変化しやすいという側面も持ち合わせているのです。
ここでは、ご自身のバームがどのような状態にあるのか、チェックすべき具体的なポイントを解説します。


バームの劣化を見分ける4つのチェックポイント
お手元のN.ナチュラルバームが劣化していないか、以下のポイントで確認してみましょう。新品の状態を思い出したり、可能であれば店頭のテスターなどと比較したりするのも分かりやすいかもしれません。
| チェック項目 | 確認するポイント | 劣化のサイン(例) |
|---|---|---|
| 色 | 新品の時と比べて、色が変化していないかを確認します。 | ・全体的に黄色みが濃くなっている ・部分的に茶色っぽく変色している |
| 香り | 本来の爽やかな柑橘系の香り以外の匂いがしないか、確かめてみてください。 | ・古い油のようなツンとした酸化臭がする ・原料のロウのような匂いが強くなっている |
| テクスチャー | バームの質感や硬さに変化がないかをチェックします。 | ・表面に油が分離して浮いている ・全体的にザラザラ、ブツブツとした感触になっている ・一部分だけが極端に硬くなったり、溶けたりしている |
| 購入・開封時期 | いつ頃購入し、いつ開封したかを思い出してみましょう。 | ・開封してから1年以上経過している(一般的に、開封後の使用目安は半年~1年以内と言われています) |
劣化したバームを使い続けるのは危険?
「もったいない」と感じるかもしれませんが、劣化のサインが見られるバームを使い続けることはおすすめできません。酸化した油分は、頭皮のかゆみやフケ、肌荒れなどのトラブルを引き起こす可能性があるからです。
また、本来のスタイリング効果が得られなかったり、髪に嫌な臭いが移ってしまったりすることもあります。ご自身の髪と肌を守るためにも、もし劣化が疑われる場合は、残念ですが使用を中止し、新しいものに買い替えることを検討しましょう。
このように、臭いの原因を探る第一歩は、製品自体の状態を客観的に見極めることです。もし上記のチェックポイントに一つでも当てはまる項目があれば、それはバームが発している「使い終わり」のサインかもしれません。次の見出しでは、なぜこのような劣化が起きてしまうのか、その原因についてさらに詳しく見ていきます。
対処法①:直射日光を避け冷暗所で保管する
N.(エヌドット)ナチュラルバームの心地よい香りを長く楽しむためには、保管方法が非常に重要になります。最も基本的かつ効果的な対策は、「直射日光を避け、温度変化の少ない冷暗所で保管する」ことです。
なぜなら、N.ナチュラルバームはシアバターをはじめとする天然由来成分を主原料としているからです。これらの成分は繊細で、特に熱や光(紫外線)の影響を受けやすい性質を持っています。
高温の場所に置かれたり、直射日光を浴びたりすると、バームに含まれるオイルが酸化しやすくなるのです。このオイルの酸化こそが、あの「油が古くなったような嫌な臭い」の主な原因となります。


このように、適切な場所で保管することが、品質を維持する上で欠かせません。具体的にどのような場所が良いのか、また避けるべき場所はどこなのかを見ていきましょう。
おすすめの保管場所
バームの品質を保つためには、「光が当たらず、一年を通して温度変化が少ない場所」が理想的です。ご自宅の中であれば、以下のような場所が適していると考えられます。
【おすすめの保管場所の例】
- 引き出しや戸棚の中
- クローゼットや押し入れ
- ドレッサーの鏡の裏や光の当たらない棚
- 直射日光の当たらない、風通しの良い部屋の棚
普段使う場所であっても、光や熱を遮れる「中」にしまうことを意識するだけで、バームの劣化を大きく防ぐことが期待できます。
ここはNG!避けるべき保管場所
一方で、バームの劣化を早めてしまう可能性のある場所も存在します。うっかり置いてしまいがちな場所も含まれているため、注意が必要です。
【避けるべき保管場所の例】
- 窓際や出窓:直射日光や西日が当たり、高温になりやすいため最も避けるべきです。
- 車の中:特に夏場は車内が高温になり、バームが溶けて液状化してしまいます。
- 浴室・脱衣所:高温多湿な環境は、雑菌の繁殖や品質劣化の原因になります。
- 暖房器具の近く:ストーブやヒーターの熱も、酸化を促進させる要因です。
これらの場所は温度が上がりやすく、バームの酸化を急激に進めてしまう恐れがあります。一度溶けて分離してしまったバームは、冷えて固まったとしても元の品質には戻らない可能性があるため、高温環境には置かないようにしましょう。
注意点:冷蔵庫での保管はNG?
「冷暗所」と聞くと冷蔵庫を思い浮かべるかもしれませんが、N.ナチュラルバームの冷蔵庫保管は推奨されていません。その理由は主に2つあります。
第一に、冷蔵庫に入れるとバームが硬くなりすぎてしまい、いざ使おうと思ったときに手のひらで溶かしにくくなってしまいます。第二に、冷蔵庫から出し入れする際の急激な温度変化によって容器の表面に結露(水滴)が生じ、水分がバームに混入して品質劣化や雑菌繁殖の原因となる恐れがあるのです。
特別な理由がない限り、常温の冷暗所で保管するのが最も良い方法と言えるでしょう。

このように、ほんの少し保管場所を意識するだけで、N.ナチュラルバームを最後まで良い状態で使い切ることができます。ぜひ今日から実践してみてください。
対処法②:スパチュラを使い清潔に保つ
N.ナチュラルバームの品質を長く保ち、嫌な臭いを防ぐためには、指で直接バームを取らず、スパチュラ(ヘラ)を使用することが非常に効果的です。一見すると少し手間に感じるかもしれませんが、この一手間がバームを最後まで快適に使うための重要な鍵を握っています。
その理由は、私たちの指にあります。たとえ手を洗った直後であっても、指には目に見えない雑菌や皮脂が付着しているものです。指で直接バームに触れると、これらの雑菌が容器の中に入り込み、バームの油分をエサにして繁殖してしまう可能性があります。これが、酸化を早めたり、不快な臭いを発生させたりする大きな原因の一つとなるのです。


スパチュラを使うメリット
スパチュラを利用することには、衛生面以外にも嬉しいメリットがあります。まず、毎回一定量を取りやすくなるため、髪につけすぎてベタついてしまう失敗を防げます。爪の間にバームが入ってしまう不快感から解放されるのも、地味ながら大きな利点と言えるでしょう。
このように、スパチュラを導入することは、バームを衛生的に保つだけでなく、日々のスタイリングをより快適にしてくれるのです。
指からの雑菌混入を防ぎ、バームの酸化や変質を遅らせることが最大の目的です。また、毎回同じ量を衛生的に取り出せるため、スタイリングの質も安定します。
スパチュラがない場合の代用品
「専用のスパチュラを持っていない」という場合でも、身近なもので代用が可能です。大切なのは、清潔で、直接指が触れないようにすることです。
- 綿棒(使い捨て):最も手軽で衛生的な方法です。使用するたびに新しいものを使えるため、雑菌の心配がありません。
- プラスチック製の小さなスプーン:デザートについてくるような小さなスプーンも便利です。使用後はきれいに洗って保管しましょう。
- 化粧品用のヘラ:他のクリームなどに付属していたヘラがあれば、それを使っても問題ありません。
これらの代用品を使う場合も、使用前には清潔であることを必ず確認してください。
スパチュラを使う上で最も重要なのは、そのスパチュラ自体を清潔に保つことです。汚れたスパチュラを使えば、逆に雑菌をバームに塗り広げることになりかねません。
使用後はティッシュで丁寧に拭き取るか、洗って水気をしっかり乾かしてから保管する習慣をつけましょう。
対処法③:香りの良いヘアオイルと混ぜて使う
N.ナチュラルバームの独特な原料臭や酸化したような臭いが気になり始めたとき、すぐに捨ててしまうのは非常にもったいないことです。そんな場合にぜひ試していただきたいのが、お手持ちの香りの良いヘアオイルと混ぜ合わせて使う方法になります。
このテクニックは、気になる臭いを効果的にカモフラージュできるだけでなく、スタイリングの幅を広げる上でも非常に有効な手段と言えるでしょう。ここでは、ヘアオイルと混ぜる具体的な方法や、その際のポイント、注意点について詳しく解説していきます。


混ぜ方の基本ステップと黄金比
まず結論から言うと、N.ナチュラルバームとヘアオイルを混ぜることで、バームのセット力とオイルのツヤ感を両立させた、新しい使い心地のスタイリング剤が完成します。その理由は、オイルがバームの硬さを和らげ、髪へのなじみを良くしてくれるからです。
具体的な手順は以下の通りです。
混ぜ方の手順
- 手のひらにN.ナチュラルバームを適量(パール1粒大程度)取ります。
- 同じ手のひらに、お好みのヘアオイルを1~2プッシュ加えます。
- 両手を合わせて、手のひらの熱でバームをじっくりと溶かしていきます。
- バームの白い塊がなくなり、オイルと完全に混ざり合って透明になったら完成です。
- 毛先を中心に、髪全体に均一になじませてスタイリングします。
このとき、バームとオイルの比率は「2:1」を目安に始めてみることをお勧めします。例えば、バームをパール2粒分ならオイルは1プッシュ、といった具合です。髪の長さや求める質感によって微調整してください。
相性の良いヘアオイルの選び方
いくら良い香りのオイルでも、N.ナチュラルバームとの相性が悪ければ、混ざり合ったときに不快な香りになってしまう可能性があります。オイルを選ぶ際は、香りの系統とテクスチャ(質感)を意識することが重要です。
香りの相性をチェック!
N.ナチュラルバームは、マンダリンオレンジ&ベルガモットといった柑橘系の爽やかな香りが特徴です。そのため、混ぜるオイルも香りの系統を合わせるか、ケンカしない香りを選ぶのが無難でしょう。
| おすすめの香りの系統 | 特徴と相性 |
|---|---|
| シトラス系 | レモン、グレープフルーツなど。バームの香りと同系統なので非常に馴染みが良く、爽やかさを増してくれます。最も失敗が少ない組み合わせです。 |
| ハーバル系 | ラベンダー、ローズマリーなど。清涼感のある香りで、柑橘系と合わさることでリフレッシュできる心地よい香りになります。 |
| フローラル系 | ローズ、ジャスミンなど。甘すぎない軽やかなフローラルの香りであれば、上品で華やかな印象をプラスすることができます。 |
| ウッディ系 | サンダルウッド、シダーウッドなど。落ち着いた深みのある香りは、バームの爽やかさに大人っぽさを加えてくれます。 |
逆に、バニラのような甘さが強いグルマン系の香りは、柑橘系と混ざると香りが複雑になりすぎる場合があるので、少量から試すのが賢明です。
また、テクスチャについては、サラッとした軽めのオイルを選ぶのがおすすめです。重すぎるオイルだと、全体がベタついてしまい、せっかくの束感が重たい印象になってしまうかもしれません。
ヘアオイルと混ぜるメリット・デメリット
この方法は多くのメリットがありますが、一方でいくつかの注意点も存在します。両方を理解した上で、ご自身のスタイリングに活かしてみてください。
- メリット
気になる臭いを好きな香りでカバーできるのが最大の利点です。さらに、バーム単体で使うよりも髪への伸びが格段に良くなり、スタイリングしやすくなるという効果もあります。オイルによるツヤ感もプラスされるため、パサつきがちな髪をしっとりまとめたい時に最適です。 - デメリット
オイルを加える分、N.ナチュラルバームが本来持つセット力は若干弱まります。しっかりとした束感やキープ力を求める場合は、オイルの量を少なめにするなどの調整が必要になるでしょう。また、毎回混ぜ合わせる手間がかかる点も、忙しい朝には少し面倒に感じるかもしれません。
注意点:セット力の低下
前述の通り、オイルを多く混ぜすぎると、バームのセット力が失われ、ただの重いオイルのようになってしまうことがあります。ウェットな質感を出したい場合でも、まずは少量から試して、最適なバランスを見つけることが大切です。
このように、ヘアオイルと混ぜる方法は、N.ナチュラルバームの気になる臭いを解決するだけでなく、質感や香りを自分好みにカスタマイズできる優れたテクニックです。もし使い切れずに眠っているバームがあれば、ぜひ一度、お気に入りのヘアオイルと組み合わせてみてはいかがでしょうか。
対処法④:ハンドケアやボディケアとして活用する
N.ナチュラルバームの香りの変化に気づいたけれど、まだ中身がたくさん残っていて捨てるのはもったいないと感じる方も多いのではないでしょうか。そのような場合に試していただきたいのが、ハンドケアやボディケアとしての活用です。実は、この方法は製品本来の特長を活かした、非常に理にかなった使い方といえるでしょう。
なぜなら、N.ナチュラルバームは、もともと髪だけでなく肌の保湿にも使える万能バームとして作られているからです。公式サイトでも、手に残ったバームは保湿のハンドクリームとしても使えると紹介されています。
主な成分であるシアバターをはじめ、ホホバ種子油やミツロウといった天然由来成分100%で構成されているため、デリケートな肌にも比較的使いやすいのが魅力です。(参照:N. STYLING SERIES公式サイト)


具体的な活用方法
ここでは、ハンドケアやボディケアとしてN.ナチュラルバームを具体的にどう使うかを紹介します。少量でよく伸びるので、コストパフォーマンスも悪くありません。
ハンド&ボディケア活用術
- ハンドクリームとして:少量を手のひらで温めてから、手の甲や指先に丁寧になじませます。特に、ささくれができやすい爪の周りの甘皮部分に塗り込むと、ネイルオイルのような役割も果たしてくれます。
- かかと・ひじ・ひざの集中ケアに:角質が硬くなりやすい、かかとやひじ、ひざに塗り込むことで、肌を柔らかくし、しっとりと保湿する効果が期待できます。お風呂上がりの清潔な肌に使うのがおすすめです。
ワンポイントアドバイス:香りをプラスして楽しむ
酸化した油の臭いがどうしても気になる場合は、バームを少量手に取った後、お好みのアロマオイル(精油)を1滴だけ混ぜてから使う方法も良いでしょう。ラベンダーやオレンジスイート、ティーツリーなど、香りが良く、リフレッシュ効果のあるものが使いやすいかもしれません。自分だけのオリジナルクリームとして楽しめます。
肌に使用する際の注意点
このように便利な活用法ですが、肌に使う際にはいくつか注意すべき点があります。安全に使い切るためにも、以下のことを心に留めておいてください。
使用前の確認事項
第一に、肌に使う前には必ずパッチテストを行いましょう。腕の内側など、目立たない部分に少量を塗り、24時間ほど様子を見て赤みやかゆみが出ないか確認してください。また、酸化が著しく進んで、明らかに色が変わっていたり、腐敗臭がしたりする場合は、肌への使用も避けて潔く処分することをおすすめします。
そして、もし使用中に肌に異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、水で洗い流してください。
髪に使うには少し気になってしまった香りも、使用する部位を変えれば気にならなくなるケースは多いものです。製品を無駄にすることなく、最後まで大切に使い切るための一つの方法として、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
まとめ:N.ナチュラルバームが臭いと感じたら保管方法と使い方を見直そう
N.ナチュラルバームが臭う主な原因はオイルの酸化です。天然成分のため、高温多湿や直射日光を避けた保管が重要になります。スパチュラで清潔に保ち、開封後は早めに使い切りましょう。臭いが気になる場合はオイルと混ぜたり、ハンドケアに活用する方法もあります。
- N.バーム本来の香りはマンダリンオレンジ&ベルガモットの爽やかな香り
- 不快な臭いの主な原因は天然由来オイルの酸化で品質劣化のサインです
- 空気中の酸素や熱、そして紫外線などがオイルの酸化を促進させる主な要因
- 酸化が進んだバームを髪や肌に使うと肌荒れなどトラブルの原因になります
- 湿気と温度が高くなりやすい洗面所やお風呂場での保管は絶対に避けてください
- 直射日光が当たる窓際や高温になる夏場の車内での保管も絶対に避ける
- 保管には直射日光が当たらない涼しくて風通しの良い場所が最も適しています
- 冷蔵庫での保管はバームの硬化や温度変化による結露を招くため避ける
- 天然成分が多いため開封後は半年から1年以内に使い切ることが推奨される
- 黄色への変色や油臭さ、ザラつきなどの変化はバーム劣化のサインです
- 人気商品のため偽物も流通しており粗悪な原料が異臭の原因になることも
- 偽物を避けるために美容室などの正規取扱店や公式サイトで購入しましょう
- 指で直接取らずスパチュラを使うことで雑菌の混入を防ぎ清潔に保てます
- 酸化臭が気になる場合は香りの良いヘアオイルと混ぜて使用するのも一手
- 髪への使用が難しい場合はハンドクリームなどボディケアに活用できます






